「直流利用空間」 | PEアジア


「直流利用空間」

最近テレビを見ていて感心したニュースがある。“ホー”と思わず声が出たのである。現在建設中のスカイツリーの下に、近年多いゲリラ豪雨の対策として大規模な地下貯水槽をつくっているというのである。言われてみれば「なるほど」と思ったのだ。上手く地下スペースを利用し、地域環境の改善、地域防災に役立つアイデアだ。

東京タワーでは地盤が軟弱な東京で地震対策をかねて4本の足が囲む空間にビルを作り、「おもし」としていると聞いていた。エッフェル塔のように、空間のままの方が開放感もあり広場ができるのにと残念に思ったこともあった。今度のスカイツリーでは地震の揺れを鉄塔内で吸収する「制振」を目指しているので、巨大水槽は地震対策ではないようだ。

 

  私が改めて感心し、期待もしているもう一つのアイデアは「直流電力」の活用である。大手の電気・電工メーカーでは「直流家電システムを」の研究が動き出しているという。次世代照明のLED(発光ダイオード)など直流で働く機器が、一般家庭で大量に使われてきているという。パソコンも直流だし、テレビも直流。世の中の期待が大きい太陽光発電も直流を作り出す。いわれてみれば発想の転換で便利さを犠牲にしなくても更に省エネが進みそうだ。「現在のLEDは交流から直流への変換時に5割の電力を失う」という新聞記事中のコメントを読むと、直流家電システムの普及しかないとさえ思える。

  高性能コンピュータやサーバが並ぶデータセンターも変電所とデータセンターをつなぐ「超伝導送電」も研究されている。液体窒素で冷やすと電気抵抗ゼロになる超伝導ケーブルをつかう。送電ロスを減らした送電である。この送電は交流にすることなく直流のままで行い、消費電力を4割減らせるのだそうだ。

  直流を基幹エネルギーとする「直流利用空間」は意外と、大小を問わず一杯あるのかも知れない。

 

  新しい組み合わせや、昔からよく知られている技術の再構築/発想の転換が世の中の仕組みを変えていくことができることがわかる。新鮮な驚きと発見。ライフサイクルアセスメント(LCA)も、工業製品やシステムだけでなく、もっと広い適用先があるかもしれない。例えば、生態系や自然保護に対する施策にも・・・ヤンバルクイナの保護とか・・・。(C