「なぜ勉強するのですか」 | PEアジア


「なぜ勉強するのですか」

「グラフェン」という耳慣れない単語を新聞の見出しに見つけた。記事の説明によると「炭素原子が6角形のハチの巣のように広がった平面状の材料。電子を流しやすく、大電流にも耐える。高強度などの特長をもつ。電子回路やセンサーなど向けの高機能材料として期待が高い。」という。国内メーカーが遅ればせながら研究に力を入れている。太陽電池の透明電極に利用できると発電効率は2倍の可能性があり、大規模集積回路向けに使用すると、シリコンを使うのに比べ、動作速度が格段に速くなることも期待されているらしい。

問題は、その作製方法で、2004年の発見当初は、グラファイト(黒鉛)から粘着テープではぎ取る方法で作ったという。当然工業生産に適さない。工業的にいかに品質の高いグラフェンを安定的に作り、応用するかが競われており、今年の応用物理学会でも研究成果が発表される。面白い展開になり夢のある研究分野に成長してくれないかと願っている。

それにしても、粘着テープで炭素原子をはぎ取るというのは笑える。子供の時にやった、蝶のはねの鱗粉を、糊を塗った紙に移し取るのと似たような発想と思いませんか。

 

一見、環境とは何の関係もないような学問や研究から、環境・エネルギー分野で威力を発揮する研究が出てくることが楽しいし、うれしい。お手軽アイデアでなく、血の滲むような研究や開発から生まれた環境技術がいわゆる「サステーナブルな社会」を作ってくれるのではないかと思う。

 

テレビ番組で小学校3年生が「なぜ勉強しなくていけないのですか」という質問に対し、タレントさんが面白い答えをいくつか披露していた。

私は、環境にどっぷり浸ってきた。生い立ちから多少技術偏重になっているという負い目もある。でも、LCAをやってきてもっと勉強しておけばよかったと思うことはしばしばある。思いもかけない技術や発想に出会ってとまどうことがあるからだ。

「なぜ勉強?」に対する私の答えは「未来の環境技術を生み出すためです」。(A