庭にヘビが現れた。9月の下旬に一直線に1mほどのヘビの抜け殻が残されていたので、庭のどこかにいるなと思っていた。まだ立派に生きていたのである。餌も少ない都会で脱皮を重ね、懸命に生きているのだなとヘビの立場にたてば立派な生き様であると一瞬感じた。まさに都市部の自然回帰、生物多様性の実態を肌で感じたというところか。
市街地でのミツバチ飼育が盛んだという。銀座ミツバチプロジェクトというのも聞いたことがある。パリではオペラ座の屋上でミツバチを飼っている。ロンドンでも個人の屋上養蜂が盛んであり、ニューヨーク市内でも数百ヵ所でミツバチが飼われている。
ミツバチ養蜂がこれほど広まりつつある理由は街おこしや個人の趣味の場合もある。個人の“副業”として養蜂家を目指している人々もいる。新聞を読んでびっくりしたのは、デベロッパーが不動産価値としてミツバチを生物多様性の生物指標ととらえ、積極的に養蜂しているというのだ。「生態系への配慮で緑の質を高め、地価の下落を抑えるビジネス戦略である」
LCAでは、シナリオのプロセスごとに因果関係を明確にしてデータをモデル化することが基本である。このLCAを生態系の保全や注目を積める生物の減少、絶滅を食い止めるために利用できないかと考えている。生物が減ることは食料がないとか、天敵が多くなるとか、生息環境が狭まっているとか数々の理由があるはずだ。その因果関係は複雑なものであるかも知れないが、それらのつながりを解き明かしていけば、生物の減少を食い止めるアイデアは出てくるように思う。LCAの目的を「環境負荷の低減」ではなく「生物の個体数の増加」と言うように変えればいいのだ。全て、原因と結果の連鎖を一つ一つ明らかにすることで、調和した自然が保てることが夢である。
生物多様性というのは大切なことである。自然の中に身をおくのは好きである。植物の手入れも大好きである。しかし、個人レベルで生き物と接するときにはいろいろ悩ましい。私の場合、昨年はスズメバチの巣を見つけ取り除いてもらった。今年はヘビを退治してもらった。ゴキブリだって現れれば即刻追跡を開始する。全ての生き物に優しく、全てが生命を全うする世界はないのだと自分なりに納得させ、自分の行為の正当さを納得させる落としどころを探している。「生き物と生き物とのバトルこそ自然だと」。(C)