「シミュレーション」 | PEアジア


「シミュレーション」

友人から「電気自動車は160kmの航続距離があるというが、空調/暖房を使うと航続距離が80kmになってしまうらしい」という話を聞いた。確かに空調や暖房でエネルギーを使うので航続距離は何割か減るだろうとは思う。5割減はショックな数字だ。自分で試していないので、友人は面白おかしく話したのだと信じたい。確かに、内燃機関がないため熱源がない。(誰も言っていないのだが、)熱を得るために化石燃料を供給するなんていわないで欲しい。

 

自動車メーカーは「車は動く書斎だ」とか言っていたようにも思う。「冬場の長距離ドライブでは防寒に気をつけて快適なドライブをお楽しみください」なんていうわけはないだろう。「寒い季節に長距離ドライブする時には注意の99%のうち7割を前方に、3割を後方と両サイド、1%はバッテリー残量系に注意を払って安全ドライブを」なんて言われたら興がそがれる。

 

工学の世界では理論だけではなかなかうまく解明できない事象は多いようだ。通常、理論をベースにして、実験で現象を確認し理論を補強して製品化している。最近知ったことだが、なぜ重い飛行機が飛ぶのだろうという点ですら詳細に考えると理論解析が完成していると言い切るのは難しいという。翼の上側と下側の空気の流速が違うので流れ学でいう「ベルヌーイの定理」により上向きの力が翼に発生するという説明だけではどうも十分でないようなのだ。

工学分野での技術進歩は“理論”プラス“実験とシミュレーション”によってその技術を確立してきた。だから自動車でも衝突実験を何回となく繰り返し、安全な車作りの手法を確立してきたし、飛行機でも模型を使った風洞実験が威力を発揮してきた。“実験とシミュレーション”これが技術力なのかも知れない。

自動車メーカーには、電気自動車の空調/暖房の効率向上についても理論と実験技術、シミュレーション技術を駆使して世界に先駆けるシステム技術を生み出してもらいたい。電気自動車の夢が膨らむように。

 

LCAは環境負荷のライフサイクルでの環境シミュレーションだと思っている。環境負荷低減手法は工学の一分野だということを改めて認識した。情緒的な環境礼賛から工学的なシミュレーションを使った環境進展へ。(L