“ビックリするような発見”の記事を読んだ。発見したのは東京農工大学の岩本薫・特任准教授。長い管で水や空気を流す時に、心臓が血液を送り出すように、流れ速度を脈動させた方が最大で58%も輸送にかかるエネルギーが少ないということが判ったのだ。この発見が実用に応用されると思われる近未来を考えて、ウキウキしてしまった。
私は「流れ学」が好きで、おおかたの常識的な現象を知っているつもりであった。管の中で管壁と管中央部の流れの速度分布の違い、それにより起きる乱流により、搬送効率が落ちることも習っていた。だから、実験でも安定した水や空気の送りだしに力を注いでいた。それが脈動させた方がいいらしいとは。信じられない気分で一杯だった。一流の研究者と凡人のセンスの違いに脱帽だ。
記事によれば、「岩本さんは心臓と血管の流れにヒントを得た。スパーコンピューターを使って、流体の分子一個一個の動きを基礎的な方程式で細かく計算した。様々な脈動で流れがどう変わるかを計算、どんな流れにも抵抗が小さくなる特殊な条件が存在することを見つけた。計算で最適な脈動パターンを割り出すことが可能だ」という。学者の存在感十分な発見だと思う。
地球環境問題を抜本的に解決する本当の技術革新は、学術と産業技術の融合から生まれれば本物だと思ってきた。今回の発見をぜひ実用化に結び付けてもらいたいと思う。
石油や天然ガスのパイプラインにも応用できそうだ。水道水の管路輸送にも応用できるかもしれない。実用化するためには脈動の形成や制御方法など多くの産業側の技術努力が必要だと思う。脈動のための電子制御回路が必要になるかもしれない。
“脈動”という誰も疑問に思わない現象に未知の真実がかくれていたと思うとゾクゾクしてくる。“脈動”の効能がもっと研究されていくかも知れない。いたずらに心臓がドキドキ動いているのではないらしい。・・・世の中って全て脈動しながら前進しているのかもしれないなあ・・・。
対象となる範囲を検討する。データを集める。どのようなモデルをくむか構想を練る。そして結果の整合性を冷静に検証する。LCA(ライフサイクルアセスメント)でも同じように「脈動のある仕事の進め方」が大切なのかもしれない。
ところで不整脈って脈動制御回路が壊れているということかだろうか?(A)
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