環境意識が高まってきているのだろうか。「エコ」要素をうまく取り込んだ商品を販売する企業がシェアを伸ばしている。エコカー減税やエコポイントというあまりにもうまいキャッチフレーズのためだろうか。それとも環境に関しては知識や、評価が徐々に社会に蓄積されてきたのだろうか。
エコと言う語があまりにも日本語としてはまりすぎていると思う。発音もきれいだし、日本人の外来語に対する一種特有な感覚もある。「地球に優しい」というと何か偉ぶっているし、理屈っぽい。ふだん使いに大変便利な言葉だ。例えば褒め言葉として「エコだね」と言えば、貧弱なものをけちけち使っている場合でも、言われたほうは悪い気がしない。「エコじゃないね」と言えば余分なものをたくさん持った人を軽くいなすことができる。会議で長い話をして多くの人の時間を拘束している場合、小声で隣の人に「エコじゃないかも」とささやけば仲間同士で通じるかもしれない。エコフレーズは幅広い利用が可能。
エコを「環境意識が高い」というニュアンスで使う場合、エコ商品の基準は何なのかという疑問がわいてくる。ところが世の中うまいものでその疑問を解決する方策を準備してくれている。すでに一部の加工食品や洗剤などの消費財で導入が始まっているカーボンフットプリントの表示という手法がある。
これは「資源を地球から受け取り、製品を製造、運搬、使用、廃棄して地球に返すまで」のシナリオで環境にどれだけ負担をかけているかを見るライフサイクルアセスメントから生まれた。ライフサイクルアセスメントの結果の中で炭酸ガスなどの地球温暖化ガスの排出に着目したものがカーボンフットプリントである。
日立は電子黒板を活用した遠隔会議システムの売り込みにカーボンフットプリントを表示する計画だという。生産段階から設置、利用、廃棄の各段階のCO2排出量を計算し、システムの導入に伴う総CO2排出量を表示する。また農水省は農産品のCO2量を表示することを目指しており、使用した肥料、農薬、燃料、電気などのデータをもとに、種をまいてから販売するまでの総CO2を計算できる仕組みを作る。
「IT機器もエコ」「野菜もエコ」をアッピールする時代になった。
追記:「ライフサイクルアセスメントは企業が自らの生産活動を環境的に改善するために行うことが多い。カーボンフットプリントは購入者に環境の取り組みをアピールするために行う場合が多い。」と言う説もある。(C)